1月6日は「六日年越し」
「六日年越し(むいかとしこし)」とは?
お正月も終盤に差し掛かる1月6日は、「六日年越し」と呼ばれる年中行事の日です。翌日の「七日正月(人日の節句)」を迎える前の準備と切り替えの日として、かつては各地で親しまれていました。
現在はあまり知られていないものの、七草粥の準備をする重要な日として、年始の行事を丁寧に締めくくる意味を持っています。
地方によって呼び方が違う?
「六日年越し」は地方によってさまざまな名称で呼ばれていました。
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神年越し(かみとしこし):神様に感謝する節目の意
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女の年越し(おんなのとしこし):女性が休息をとる日とされた地域も
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馬の年越し(うまのとしこし):家畜の無病息災を祈る行事として
これらはいずれも「七日正月」を迎える前に、心身を整え、年神様に感謝するための準備とされています。
七草粥の準備が始まる日でもある
「七草の祝い」は六日年越しから始まる
1月7日の朝にいただく七草粥(ななくさがゆ)は全国的に知られた習慣ですが、その準備は前日の六日年越しから始まっていたのです。
七草をたたいて唱える風習
七草粥に使う春の七草をまな板に載せて、包丁の背でトントンとたたきながら、以下のような言葉を唱える伝統もありました…
七草なずな
唐土(もろこし)の鳥と日本の鳥と
渡らぬ先にトントントン
これは、病気や厄を祓い、春の恵みを体に取り入れるための言霊(ことだま)行事として、古くから親しまれてきました。
七草の意味や種類については、こちらも参考に
現代の家庭での取り入れ方
「六日年越し」の行事は、現代では少しずつ薄れてきましたが、以下のようにご家庭でも楽しめる要素があります。
1. 七草の準備を親子で楽しむ
スーパーで販売される七草セットを一緒に見ながら、春の七草を覚えたり、それぞれの意味を話すのは、食育にもつながります。
2. 一緒に七草を刻んでみる
本来の風習通りにトントンと包丁で七草を刻むことで、年中行事を五感で体験できます。唱え言葉も一緒に楽しめば、親子の会話も弾みます。
まとめ:六日年越しは、心を整えて新年を結ぶ準備の日
お正月のフィナーレに向けて、家族の健康と平穏を願う「六日年越し」。七草粥を迎える前日に、ちょっとした準備をするだけで、年中行事の意味がぐっと深まります。

「六日年越しは“春の恵み”のはじまりの日」