10月26日は「原子力の日」
「原子力の日」とは?
10月26日は、日本の科学技術史において大きな節目となる「原子力の日」です。1964年(昭和39年)、日本政府の閣議決定によって制定されました。この記念日には、原子力発電の歴史や意義を振り返り、平和利用の重要性を改めて考える機会とされています。
制定の背景
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1956年(昭和31年)10月26日
日本が国連の専門機関「国際原子力機関(IAEA)」に加盟。原子力を平和利用するための国際的な枠組みに加わりました。 -
1963年(昭和38年)10月26日
茨城県東海村にある日本原子力研究所の「動力試験炉(JPDR)」が稼働し、日本初の原子力発電に成功。これが後の商用発電導入につながります。
これら2つの出来事を記念して、1964年に「原子力の日」が定められました。
JPDR(動力試験炉)の役割
JPDRは、日本の技術者が原子炉運用を学ぶための拠点でした。
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1976年に運転を終了。
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1986年~1996年にかけて解体工事が行われ、更地に。
これは日本初の「原子炉解体プロジェクト」であり、廃炉技術の確立に大きな意味を持ちました。
日本初の商用原子力発電
JPDRで得られた知見を基盤に、日本は本格的な商用原子力発電へと歩みを進めました。
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1966年7月25日:日本原子力発電株式会社の「東海発電所」が稼働。英国型原子炉を採用し、日本初の商用原子力発電が始まりました。
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ただし、その後は米国製の軽水炉が主流となり、英国型はこの一基のみ。
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東海発電所は1998年に運転を終了し、現在は解体が進められています。
原子力の日の目的
「原子力の日」は単に技術の記念ではなく、以下のような意義があります。
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原子力利用への理解を深めること
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世界平和や人類の健康、繁栄に資すること
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軍事転用を防ぐための国際協力を推進すること
この日には、関連機関や企業でシンポジウムやイベントが行われ、原子力に関する知識や課題を広く共有する場となっています。
まとめ
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10月26日は「原子力の日」
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IAEA加盟と日本初の原子力発電が由来
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JPDRは教育・研究だけでなく、日本初の原子炉解体の経験も残した
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東海発電所が日本初の商用原子力発電所として稼働
この記念日は、エネルギーの未来や国際協力の大切さを考えるきっかけとなります。

「原子力の日は、日本のエネルギー史を動かした“転換点”だった!」