「いい歯の日」は8020運動を推進する日
1993年(平成5年)、公益社団法人・日本歯科医師会(通称「日歯」)が「いい(11)歯(8)」の語呂合わせから制定した記念日が「いい歯の日」です。また、4月18日は「よ(4)い(1)歯(8)」の語呂合わせから「よい歯の日」です。
11月8日は、「8020運動」の一環として、国民の歯科保健啓発を目的に設定されました。1989年(平成元年)から厚生労働省とともに推進している「8020運動」とは、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という目標を掲げたもので、生涯にわたる歯の健康維持を目指しています。
「いい歯の日」の目的と活動
「いい歯の日」には、歯の健康の重要性を啓発するため、日本歯科医師会が主催するイベントやキャンペーンが行われています。その中でも特に注目されているのが、「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー」。その年に最も素敵な笑顔を見せた著名人の男女1名ずつが選ばれ、笑顔の大切さを広める役割を担います。また、全国から「とびきりの笑顔」の写真を集める「スマイルフォトコンテスト」も開催され、プロ・アマ問わず、多くの笑顔が紹介されています。
8020運動の成果と現状
8020運動は年々成果を上げており、運動開始当初の達成者はわずか7%でしたが、2017年の厚生労働省の調査では、80歳で20本以上の歯を保っている人の割合が51.2%に達しています。この成果は、国民が歯の健康の重要性に対する意識を高めた結果と言えるでしょう。
オーラルフレイルに注目
8020運動の次のステップとして注目されているのが「オーラルフレイル」です。これは、口の機能が衰えることで心身の健康が損なわれる状態を指します。しっかり噛めない、うまく飲み込めないといった口腔機能の衰えが、全身のフレイル(衰弱)に繋がるため、歯だけでなく口腔全体の健康維持が重要です。
歯の健康と長寿の関係
歯や口腔機能を維持することで、次のような多くの利点が得られます。
- 歯の本数が多いほど寿命が長い
- 様々な食品をしっかりと噛むことで栄養吸収が向上し、美味しく食べることができる
- 口腔機能が良好だと姿勢や歩行が安定する
- 噛む回数が増えると唾液の分泌が促され、口内を清潔に保てる
- 脳が活性化され、認知症予防に繋がる
是非、最低でも朝起きた時、夜寝る前には歯磨きをしましょう。
口腔機能を維持するための対策
口腔機能の低下を防ぐため、歯ごたえのある食べ物をよく噛んで食べることが推奨されています。さらに、舌体操や唾液腺マッサージを日々取り入れることも有効です。口腔機能は40代から低下しやすいため、早めのケアが大切です。
口腔ケアの重要性
口腔内の健康を保つためには、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを使った隙間のケアや、薬用洗口液での粘膜ケアも欠かせません。また、歯が抜けた場合は放置せずに歯科医院を受診し、咬み合わせや噛む機能を回復させましょう。
「いい歯の日」は、私たちが歯の健康を再認識し、より良い生活のために取り組むべきことを考える良い機会です。
リンク:日本歯科医師会