8月27日は『男はつらいよ』の日
1969年8月27日、日本映画史に残る名作シリーズ『男はつらいよ』がスクリーンに初登場しました。この日は記念すべき第1作が公開された日であり、映画ファンにとっても“寅さんファン”にとっても忘れられない日になりました。
そんなことから、8月27日は『男はつらいよ』の日、寅さんの日として親しまれています。
『男はつらいよ』とは?昭和の日本を映す“人情喜劇”の金字塔
舞台は東京・葛飾柴又。
主人公は、テキ屋稼業を生業とする風来坊、「フーテンの寅」こと車寅次郎。全国を旅して回る彼が、ふとしたきっかけで実家に戻り、家族や近所の人々を巻き込んだ騒動を起こしながらも、どこか憎めない“人情ドラマ”が展開されていきます。
毎回、旅先で出会う“マドンナ”に恋をするも、うまくいかずに切ない別れ…。
それでも笑って旅を続ける寅さんの姿は、日本人の心の奥底にある“哀愁”と“優しさ”を映し出してくれます。
実は最初は“テレビドラマ”だった?寅さんの意外な誕生秘話
「フーテンの寅」が初登場したのは1968年のテレビドラマ版『男はつらいよ』。
ところがこのドラマ、最終回で寅さんが死亡するという衝撃の展開で幕を閉じました。
しかし、視聴者からの強い要望で翌年には映画として復活。以後、26年間で全48作が公開され、世界最長の映画シリーズとしてギネス世界記録にも認定される偉業となったのです。
寅さん映画が愛され続ける理由時代を越えて心に響く魅力とは?
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日本各地の旅情あふれる風景
寅さんが全国を旅することで、四季折々の美しい景色が映し出される。まるで“日本再発見”のような感覚に。 -
マドンナとの淡い恋
シリーズごとに登場するヒロイン=“マドンナ”との恋模様も注目ポイント。吉永小百合、竹下景子、浅丘ルリ子など名女優たちが彩る。 -
家族・隣人との温かなつながり
妹・さくらや、義弟・博、おいちゃん・おばちゃんたちとのやりとりが、昭和の家族像を映し出す。
映画『男はつらいよ』シリーズの驚異の記録
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公開作品数:全48作(1969年~1995年)
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主演:渥美清(車寅次郎)
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監督:山田洋次
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総観客動員数:約7,957万人
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総配給収入:約464億円
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ギネス世界記録認定:最長連続映画シリーズ
今なお根強いファンを持ち、DVD・配信・リバイバル上映などを通じて、世代を超えて愛され続けています。
寅さんに会える場所「柴又」へ行こう!
映画の舞台となった葛飾柴又には、ファンにとって聖地ともいえるスポットが数多く残されています。
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柴又帝釈天
寅さんが何度も訪れたお寺。門前の参道も当時の雰囲気を残しています。 -
山田洋次ミュージアム&寅さん記念館
映画の世界観や撮影裏話に触れられる展示が満載。 -
寅さん像(柴又駅前)
改札を出るとすぐに、トランク片手に立つ寅さんの銅像が。まるで映画のワンシーンのよう。
寅さんが教えてくれた“人生の旅”とは
8月27日の『男はつらいよ』の日は、
“笑って泣ける人情喜劇”の魅力と、昭和という時代のぬくもりをあらためて感じさせてくれる日。
「それを言っちゃあ、おしまいよ」
―寅さんの名セリフが、ふとした時に心を軽くしてくれる。
人は誰もが、人生という“旅”の途中。
寅さんのように、ぶつかりながらも前向きに、人を思いやる気持ちを忘れずに歩んでいきたいですね。

「旅の恥はかき捨て、ワニのマークはラコステ」