9月3日は「草野球の日」
みなさん、9月3日は何の日かご存じですか?
そう、世間的にはあまり知られていないけれど、ちょっぴり笑えて、でも確かに胸が熱くなる「草野球の日」なんです。誰が定めたかは定かではありませんが、今回は有力な説を紹介します。
記念日が制定されたのは1994年頃。広島市などの草野球好きの仲間がつくる「とうもろこしの会」が制定したそうです。理由はいたってシンプル、「9(く)・3(さ)」の語呂合わせから。
つまり、「くさ→草→草野球」という、ダジャレ感満載の発想から始まったそうです。
ところが、このちょっとした冗談が、本気の球場づくりと人の輪を生んでいくことになりました。
きっかけは「勝手に記念日宣言」から
1994年、「とうもろこしの会」という広島市の草野球仲間たちが、「草野球の日」を制定。
目的は明確で、「記念日を作ってしまえば、球場づくりのモチベーションが上がるから」という魂胆でした。
そして翌1995年、その記念日を祝うかのように、手作り野球場『ドリームフィールド』が完成。
休耕田を自分たちの手で整備し、石を拾い、草を抜き、排水溝を掘り、ホームベースを埋めて、スタンドまで設置する——
草の根ならぬ、草の手によって生まれた夢のグラウンドでした。
「草野球甲子園」という夢の舞台
グラウンド完成を機に、「とうもろこしの会」は草野球甲子園という大会をスタート。
その名誉会長には、衣笠祥雄が就任し、草野球に魂を燃やす大人たちの祭典が幕を開けます。
試合はもちろん、自給自足リーグと称した会員同士の対戦、少年野球団や医師チームとの親善試合など、大人たちが本気で“遊んだ”記録が、写真とスコアとユーモアたっぷりの文章で記録に残されています。
笑いと感動が交差する「草」の記念日
こうした活動は、残念ながら2006年をもって一区切り。
名誉会長の逝去もあり、「草野球の日」の空気は少し静かになりました。
でも、あのグラウンドで白球を追い、声を枯らし、笑い合ったあの日の記憶は、いまもどこかに残っているはず。
たとえ記念日を知らなくても、「草野球」の楽しさを知っている人たちがいる限り、この日にはちゃんと意味がある—かもしれませんね。
草野球って、いい。
プロでもない、うまくもない。
でも、野球が好きで、仲間と集まり、日常の延長線上で夢を見る——それが草野球です。
「草野球の日」は、その精神をユーモラスに、でもどこか熱く称える記念日。
たとえそれが、誰にも知られていなくても。

今年の9月3日、バットを握らなくてもいい。
空を見上げて、「草野球って、いいよな」と、思い出してみませんか?