2月4日は「高齢者安全入浴の日」
2月4日は、「高齢者安全入浴の日」として、高齢者が安全に入浴する意識を高めるための日です。この記念日は、一般社団法人・高齢者入浴アドバイザー協会(東京都中央区日本橋室町)が制定し、2021年(令和3年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。
冬場は特に入浴中の事故が増加する時期であり、高齢者にとって安全な入浴を推進する取り組みが重要です。この日をきっかけに、家族や介護者が入浴時のリスクを再認識し、高齢者が安心して入浴できる環境づくりを考える機会としましょう。
記念日が2月4日に制定された理由
「高齢者安全入浴の日」が2月4日に設定された理由は、「不老不死」を意味する「ふ(2)し(4)」と、「入浴」を意味する「にゅう(2)よく(4)」の語呂合わせに由来します。また、2月4日は二十四節気「立春」にあたり、暦の上で新たな一年の始まりを迎えるタイミングです。これに「今年一年、安全に入浴を」との願いを込めています。
入浴中の事故が高齢者に多い理由とは?
入浴中の事故は、年間およそ19,000人が命を落としていると推定されており、これは交通事故による年間死亡者数(約3,000人)の5倍以上に相当します。高齢者は特に以下の理由から、入浴中に事故を起こしやすい傾向があります。
- ヒートショック
急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクが高まります。冬場の寒暖差が要因となることが多いです。 - 溺水
浴槽内で意識を失い、溺れてしまうケースが少なくありません。高齢者は筋力や平衡感覚が低下しているため、浴槽内での姿勢保持が難しい場合があります。 - 体調不良
入浴中に突然の体調変化が起こることもあります。特に持病を抱える高齢者にとって、適切な入浴方法が重要です。
高齢者入浴アドバイザー協会の取り組み
高齢者入浴アドバイザー協会(Elderly Bathing Advisers Association)は、2016年(平成28年)3月18日に設立され、高齢者に安全な入浴方法を指導する専門家「高齢者入浴アドバイザー」の養成を行っています。同協会は以下の活動を通じて、高齢者の入浴事故ゼロを目指しています。
- 資格制度の運営
高齢者の特性や健康状態を理解し、安全な入浴プログラムを提案できる専門家を育成します。 - 教本やガイドラインの提供
高齢者が安全に入浴するための実践的な知識をわかりやすくまとめた教本を提供。 - セミナーや講習会の開催
介護者や家族向けに、安全な入浴方法を指導するためのセミナーを定期的に開催。
高齢者が安全に入浴するためのポイント
- 室内の温度を一定に保つ
脱衣所や浴室内を温めておくことで、急激な温度差によるヒートショックを防ぎます。 - 湯温は40度以下に設定
熱すぎる湯温は血圧や心拍数を急激に上昇させるリスクがあります。適切な湯温を心掛けましょう。 - 入浴時間は短めに
長時間の入浴は体への負担が大きくなります。10~15分程度の短時間入浴がおすすめです。 - 入浴前後に水分補給を
入浴中は汗をかくため、脱水症状を防ぐためにも水分補給を忘れないようにしましょう。 - 一人での入浴を避ける・入る前に家族に声をかけておく
特に体調に不安がある場合は、家族や介護者がそばにいる状態での入浴を心掛けてください。
安全な入浴を通じて健康な毎日を
「高齢者安全入浴の日」をきっかけに、高齢者が安心して入浴を楽しむための工夫を取り入れてみませんか?入浴はリラックス効果や血行促進など、多くの健康効果が期待できる大切な日常習慣です。正しい方法を知ることで、事故を防ぎ、より快適な入浴時間を実現しましょう。
2月4日は高齢者安全入浴の日!安心・安全な入浴で健康な毎日を!
リンク:高齢者入浴アドバイザー協会