選挙の当選祝いや受験祈願など、私たちの生活に深く根付いている縁起物「だるま」。そのモデルとなった人物をご存じでしょうか。
毎年10月5日は、禅宗の祖として知られる達磨大師(だるまだいし)の遺徳を偲ぶ「達磨忌(だるまき)」とされています。
10月5日は「達磨忌」
達磨忌は、中国禅宗の開祖である達磨大師が528年(永安元年)の旧暦10月5日に亡くなったとされることに由来しています。
この日には、達磨大師を祖師と仰ぐ臨済宗や曹洞宗をはじめとする禅宗寺院において、その功績に感謝を捧げる法要が執り行われます。私たちが普段目にする縁起物のだるまは、この達磨大師の厳しい修行姿がもとになって生まれた文化といわれています。
達磨忌の由来と達磨大師の足跡
達磨大師は正式には「菩提達磨(ぼだいだるま)」と呼ばれ、「ダルマ」とはサンスクリット語で「法(真理)」を意味する言葉です。南インドの国王の第3王子として生まれ、6世紀初めに海路で中国へ渡ったと伝えられています。
中国の少林寺において、壁に向かって9年間ものあいだ座禅を組み続けて悟りを開いたという「面壁九年(めんぺきくねん)」の故事は非常に有名です。絵画などでは、鋭い眼光に豊かな髭、耳輪を付けた異国情緒あふれる姿で描かれることが多く、その教えは日本の武士道や文化にも大きな影響を与えた禅の基礎となりました。
縁起物「だるま」と七転八起の精神
私たちが親しんでいる張り子の「だるま」は、達磨大師の座禅姿をかたどったものです。室町時代に流行した「起き上がり小法師」の技術と結びつき、江戸時代以降に代表的な縁起物として全国へ広まりました。
- 手足のない丸いフォルム:長年の座禅修行によって手足が腐り落ちてしまったという伝説に由来するとされています。
- 赤い衣:古来より魔除けや病気除けの効果があると信じられていた赤色をまとっています。
- 起き上がり構造:底に重りが入っており、倒れても自力で起き上がる仕組みになっています。
どんなに倒されてもすぐに起き上がる様子から、「七転八起」の不屈の精神や無病息災・家内安全を願う象徴として今も多くの人々に愛され続けています。
「達磨忌」のおすすめの過ごし方
達磨忌である本日は、達磨大師の芯の強さや「何度でも立ち上がる」前向きなエネルギーにあやかる過ごし方がおすすめです。
まずは、自宅や職場に飾ってあるだるまの埃をやさしく拭き取り、日頃の見守りに感謝してみてはいかがでしょうか。まだ目を入れていない祈願だるまがあれば、現在の目標や進捗を振り返るきっかけにするのも素敵です。
また、達磨大師に倣って数分間だけ背筋を伸ばして静かに深呼吸をする「プチ座禅」の時間を持つことも心のリフレッシュにつながります。忙しい日々のなかで一度立ち止まり、心を整える良い機会となるでしょう。
まとめ
10月5日の「達磨忌」は、禅の教えを伝えた達磨大師の命日であり、私たちが親しむ縁起物「だるま」のルーツに触れられる日です。
困難に直面しても諦めずに立ち上がる「七転八起」の心を胸に、今日という日を前向きな一歩を踏み出すきっかけにしてみてください。

何気なく見かけるだるまに「9年間の座禅」という壮絶なルーツがあったと知り、倒れても起き上がる姿がより頼もしく感じられました。

