12月30日は取引所大納会
「大納会」(だいのうかい)は、日本の証券取引所における一年最後の立会いを指し、転じてその営業日を意味する言葉です。例年、12月30日に行われ、投資家や市場関係者にとって特別な節目となります。
大納会の起源と変遷
かつての習慣と変更点
- 以前の慣例
かつて「大納会」は、官公庁の「御用納め」と同じ12月28日に行われていました。また、取引は午前(前場)で終了し、午後(後場)は休場となっていた時代もあります。 - 日程変更の理由
証券業界の営業日数増加を目的に、1990年代以降、「大納会」は12月30日へと変更されました。一方、新年最初の立会いである「大発会」(だいはっかい)も、1月6日から1月4日へと繰り上げられています。 - 特別ルール
「大納会」が土日と重なる場合は、その直前の営業日に実施されます。
例:2024年は12月30日(月曜日)に「大納会」、2025年は1月6日(月曜日)に「大発会」が行われます。
大納会当日のセレモニー
大納会では、日本取引所グループ(JPX)が東京と大阪の両会場で特別なセレモニーを実施します。
- 恒例行事
当日は、各界の著名ゲストを招き、「手締め」や「万歳三唱」で一年を締めくくるのが恒例です。近年では、これらの様子がJPX公式YouTubeチャンネルでライブ配信され、誰でも視聴可能となっています。 - JPXとは?
株式会社日本取引所グループ(JPX)は、東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所を運営する持株会社です。本社は大阪市中央区北浜に位置し、東京本店は日本橋兜町にあります。設立は2013年1月1日で、日経平均株価やTOPIX Large70の構成銘柄の一つでもあります。
投資家にとっての「大納会」とは?
大納会は単に市場が閉まるだけでなく、投資家にとって次のような重要な意味を持ちます。
- 投資パフォーマンスの総括
一年間の投資成績を振り返る日。損益を確認し、翌年の戦略を立てる機会となります。 - 税務対策
年末は、確定申告を見据えた「節税対策」の重要な時期でもあります。損益通算や特定口座の配当控除などを考慮した売買が活発になることが特徴です。
豆知識:日本初の証券取引所は?
- 起源
日本初の証券取引所は、1878年(明治11年)に設立された「東京株式取引所」です。これが現在の東京証券取引所の前身にあたります。 - 兜町の由来
東京証券取引所が位置する「兜町」は、その名前から「兜(かぶ)」=「株」と関連付けられ、投資家にとって縁起の良い地名とされています。
まとめ
「大納会」は、証券取引市場において一年を総括し、翌年への期待を込めて締めくくる重要な行事です。この日を通じて、日本経済や投資市場の一年の歩みを振り返り、次なるスタートに向けた準備を進めましょう。
投資初心者も、この機会に市場の動向やトレンドをチェックし、投資の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
リンク:日本取引所グループ