8月12日は「太平洋横断記念日」
1962年(昭和37年)8月12日、ひとりの若者が世界を驚かせました。
その名は、堀江謙一(ほりえ けんいち)。
当時23歳だった彼は、小型ヨット「マーメイド号」で日本を出発し、94日かけてアメリカ・サンフランシスコに到着。日本人初の太平洋単独横断という歴史的偉業を達成しました。
これを記念し、8月12日は「太平洋横断記念日」とされています。
たったひとりの挑戦~密出国から始まった冒険~
堀江氏の出発地は兵庫県西宮市。
当時の法律ではヨットによる出国は認められておらず、「密出国」というリスクを背負っての出航でした。
出港から到着まで実に94日間・約1万キロという長い航海。
命の危険や孤独と闘いながら、波に揺られ、風に流され、星を頼りに進んだ海路。
この行動は、国内では「無謀」と批判されつつも、到着したアメリカでは大きな称賛と歓迎を受けました。
帰国後、彼の冒険記『太平洋ひとりぼっち』はベストセラーに。
1963年には石原裕次郎主演で映画化もされました。
なぜ「ひとりで海を渡った」のか?
堀江氏が太平洋横断を決意した理由。それはただ一つ、
「夢を、行動で証明したかった」という信念。
「できるかできないかじゃない。やるか、やらないかだ」
この精神は、今も多くの挑戦者の心を突き動かしています。
太平洋横断はその後も続く。年齢を超えた挑戦へ。
堀江氏の冒険は一度きりではありません。
1989年には全長わずか2.8mの最小ヨット「ミニマーメイド号」で太平洋を単独往復。
さらに2022年、なんと83歳で再び単独横断を達成。
まさに“生涯冒険家”と呼ぶにふさわしい人物です。
関連する記念日
「無謀」は、挑戦を始める人にだけ与えられる言葉
誰もが最初は「無謀だ」と言われます。
でも、それを本当に「無謀」に終わらせるかどうかは、自分次第。
94日間、たった一人で海を越えた23歳の若者。その姿は、今もなお、挑戦を恐れる私たちに語りかけてくれます。
8月12日は「太平洋横断記念日」。忘れかけていた“冒険心”を、もう一度思い出してみませんか?

「限界なんて、自分で決めちゃいけない。」