郵政記念日とは?
4月20日は、日本郵便制度の始まりを祝う「郵政記念日」(以前は「逓信記念日」)として制定されています。1871年(明治4年)のこの日、それまでの飛脚制度に代わる新たな郵便制度が、政治家で「郵便の父」と称される前島密(まえじま ひそか、1835~1919年)の立案によりスタートしました。最初は東京・京都・大阪の3都市と東海道沿いの主要駅で郵便物の取り扱いや切手の発行が開始され、翌年には全国に拡大しました。この新制度は、イギリスの郵便制度を参考にしつつ、飛脚の仕組みも一部取り入れ、現代日本の郵便システムの基礎を築きました。
郵政事業と逓信省の分割による記念日の変遷
郵政記念日の元となった「逓信記念日」は、1934年(昭和9年)に逓信省(現在の日本郵政グループ)が通信事業特別会計を創設した際に、記念事業の一環として定められました。その後、1950年(昭和25年)には逓信省が郵政省と電気通信省に分割され、この時から「郵政記念日」と呼ばれるようになります。一度は1959年(昭和34年)に「逓信記念日」に戻りましたが、2001年(平成13年)の中央省庁再編で再び「郵政記念日」となり、郵便業務を振り返る記念日として広く親しまれています。
郵便週間と切手趣味週間
この日を含む4月20日から26日までは、郵便制度のPR活動のための「郵便週間」となり、郵便業務の普及と郵便文化の促進を目的に行事が開催されます。また、「切手趣味週間」として、記念切手が発行されるのも毎年の楽しみです。切手趣味週間の起源は1947年(昭和22年)で、第1回は11月29日から始まりました。この時に発行された「見返り美人」の切手は人気を博し、1958年(昭和33年)からは4月に移行し、以降は毎年恒例となっています。
郵政創業150年と新たな試み
2021年(令和3年)4月20日には、日本郵政グループが創業150周年を迎えました。この記念として、オリジナルのフレーム切手や記念グッズの販売、Webサイト上での記念コンテンツの公開、記念ポストの設置など、郵便に親しむための多彩なイベントが行われました。郵便制度は、日本国内外の人々や地域を結ぶ重要な役割を果たしており、その存在意義が再確認される年であり、私も郵便局に足を運びました。
関連記念日「郵便貯金の日」
4月20日の郵政記念日に加え、5月2日は「郵便貯金の日」とされています。これは1875年(明治8年)に日本で郵便貯金の業務が開始されたことを記念して定められた日です。郵便貯金は、多くの人々が資産を安全に管理できる手段として親しまれ、郵便局の重要な業務の一つとなっています。
まとめ
「郵政記念日」は、郵便制度の歴史とその進化を振り返るとともに、未来へと続く日本の郵便業務の意義を再認識する日です。郵便という仕組みは、単なる手紙の配送を超えて、全国各地の人々を結びつけ、情報や文化を伝達する役割を果たしてきました。前島密による構想から始まり、現在に至るまで進化を続ける日本の郵政事業は、今後も変化する社会に寄り添いながら、持続的なサービスの提供に努めていってくれるはずです。皆さんも感謝の気持ちをもって年賀状を買いましょう!
リンク:日本郵政