12月23日は「テレホンカードの日」
1982年(昭和57年)12月23日、日本国内初のテレホンカード対応公衆電話が東京・数寄屋橋公園に設置されました。この革新を記念して、テレホンカードの日が制定されました。テレホンカードは、現金を必要としない便利なシステムとして、1980年代から1990年代にかけて全国で普及しました。
テレホンカードの誕生と普及の経緯
磁気式公衆電話の登場
1972年には、百円硬貨が使える黄色い公衆電話が日本全国で導入されましたが、釣り銭が返却されない問題があり、利用者にとって不便な点がありました。これを解決するため、日本電信電話公社(電電公社、現:NTT)は磁気テレホンカード対応の公衆電話を開発しました。
1982年に導入されたこの仕組みは、下記のような利点がありました。
- 小銭不要でスムーズな通話が可能
- 1度数(10円)単位で引き落としされ、料金の無駄がない
- 長時間通話でも硬貨の追加投入が不要
- 設置者側も硬貨の管理コストを削減
これらのメリットにより、テレホンカード対応の公衆電話は首都圏を皮切りに全国へ広がり、1980年代後半には社会の重要な通信インフラとなりました。
テレホンカードの全盛期と衰退
1990年代の黄金期
テレホンカードは便利な通信手段として普及し、企業や団体がオリジナルデザインのカードを発行することも増えました。多種多様なデザインのテレホンカードが市場に出回り、コレクションブームも起こりました。
携帯電話の普及による利用低下
1990年代半ば以降、携帯電話の普及が進むにつれ、公衆電話の需要は急速に減少しました。これに伴い、テレホンカードの利用率も下がり、販売される機会が少なくなりました。
現在のテレホンカードの役割と価値
コレクターズアイテムとしての人気
テレホンカードは、希少価値のあるデザインや限定版のものがコレクターズアイテムとして取引されることがあります。一部のカードは、発行額以上の価格で売買されることもあり、通信手段としての役割から趣味の対象へと変化しています。
公共の備えとしての公衆電話
公衆電話自体の数は減少していますが、災害時の緊急通信手段として重要な役割を果たしています。一部地域では、テレホンカード対応の公衆電話も引き続き設置されています。
まとめ
1982年に初めて導入されたテレホンカード対応の公衆電話は、現金を必要としない新しい通信手段として、日本中に広まりました。その利便性から一時代を築き、多くの人々の生活を支えました。現在では携帯電話の普及により姿を消しつつありますが、災害時の備えやコレクターズアイテムとしての価値が見直されています。
かつてのテレホンカードにまつわる思い出や、デザインを集めた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この「テレホンカードの日」をきっかけに、通信技術の進化や当時の生活を振り返ってみませんか?世代を超えて共有できる話題として、家族や友人と語り合う良い機会になるかもしれません。