11月3日は「文具の日」
文具の日とは?
「文具の日」は、1987年(昭和62年)、東京都文具事務用品商業組合などの文具関連団体によって制定された記念日です。
その目的は、文具の持つ文化的価値や歴史を広め、改めて文房具の大切さを見直してもらうこと。
なぜ11月3日?
この日が選ばれた理由は、「文化の日」にちなんでいるからです。「文具と文化は、歴史的に同じ意味を持ってきた」という考えから、文具=文化を支える道具という位置づけで、同じ日である11月3日が記念日として制定されました。
文具とは?文房具との違いとは
文具=文房具?
一般的には「文具」と「文房具」は同じ意味で使われていますが、語源をたどるとわずかな違いがあります。
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文房具(ぶんぼうぐ):読書・書き物をする部屋「文房(書斎)」で使用する道具。主に「筆・墨・紙・硯」の四つ、いわゆる「文房四宝」を指します。
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文具(ぶんぐ):筆記具だけでなく、事務用品や学校で使うアイテムなど、より広範囲な文具全般を指す言葉です。
つまり、「文具」は「文房具」よりも広い概念であり、現在では両者を区別せずに使用するケースが一般的となっています。
文具の歴史|道具から文化へ
文具の歴史は、文字の歴史とともに歩んできました。
古代中国と「文房四宝」
中国の文人文化では、書を書くために必要な「筆」「墨」「紙」「硯」の4つが最重要とされ、これを「文房四宝(ぶんぼうしほう)」と呼びました。
これらは書斎に常備すべき道具とされ、特に墨や硯は芸術的価値も高く、代々受け継がれる財産として扱われてきました。
日本における文具の発展
日本には中国からの影響で筆や硯の文化が伝来し、やがて江戸時代には、庶民にも筆記具が広まります。
明治以降、西洋式の「鉛筆」「万年筆」「インク」などが輸入され、さらに昭和時代には日本企業による文具の大量生産と革新が進みました。
今では日本製の文具はその高い品質と機能性で、世界中の文具ファンからも熱い支持を受けています。
現代の文具とは?
筆記具(Pencil / Pen)
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鉛筆(えんぴつ):小学校の必需品。芯の硬さにより濃淡を調整でき、書き心地が魅力。
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シャープペンシル:細くて均一な線が描ける。芯の太さは0.3~0.9mmが主流。
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ボールペン:油性・水性・ゲルインクなど多種多様。ビジネスで最も使用される筆記具。
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万年筆:毛細管現象によってインクが流れ出る。大人の文具・趣味文具として人気再燃中。
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サインペン・蛍光ペン:目立たせたい文字やデザイン向け。
紙製品・ノート類
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ノート、ルーズリーフ、メモ帳
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付箋(ふせん):情報の整理や伝言に大活躍
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封筒・便箋:手紙文化の一翼を担う
補助文具・ツール
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消しゴム、鉛筆削り
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定規、コンパス、分度器
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ホッチキス、テープ、のり
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ペンケース、ファイル、バインダー などなど。
日本の文具メーカーとブランド
日本の文具産業は、世界でもトップクラスの技術力を誇ります。代表的なメーカーは以下の通り。
メーカー | 主なブランド・特徴 |
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三菱鉛筆 | uni、ジェットストリーム、ハイユニ |
ぺんてる | シャー芯(ハイポリマー芯)、アイン、筆ペン |
パイロット | 万年筆、フリクションシリーズ |
ゼブラ | サラサ、マイルドライナー |
コクヨ | Campusノート、事務用品全般 |
文具関連記念日まとめ
まとめ
私たちは日常生活の中で無意識に文具を使っていますが、それら一つひとつには職人技・歴史・革新の積み重ねがあります。
「文具の日」は、“書く・描く・記す”ことの楽しさを再発見する大チャンス。
文具を通して自分と向き合い、手書きの温かみや創造性を改めて感じてみてください。
そして今日も、あなたのそばでそっと支えてくれる「文具」に感謝を。

文具は、“書く道具”ではなく、“文化を紡ぐ相棒”である!