12月27日は「浅草仲見世記念日」
1885年(明治18年)のこの日、東京・浅草にある「仲見世通り」が煉瓦造りの新店舗として新装開業しました。浅草寺の雷門から本堂へと続く約250メートルの参道沿いに軒を連ねる商店街「仲見世」は、日本で最も歴史ある商店街のひとつとして、今も変わらぬ賑わいを見せています。
江戸時代から続く“門前町の原点”
仲見世の始まりは、江戸時代の1685年(貞享2年)頃。浅草寺の清掃を担う代わりに、近隣住民が境内で商いを許されたのが起源とされています。
当時は茶屋や土産物屋、玩具店などが並び、江戸庶民の娯楽や参拝客の楽しみの場として栄えました。その姿はまさに「江戸の粋」を象徴する風景でした。
明治の再出発と煉瓦造りの街並み
明治維新後、寺社領が政府に没収され、仲見世の営業権も一度は失われます。しかし、1885年に煉瓦造りの近代的な店舗が完成し、洋風建築と和の文化が融合した新しい仲見世が誕生しました。
残念ながら1923年の関東大震災で倒壊しましたが、その後は鉄筋コンクリートで再建。戦後の焼失を経ても、仲見世の人々は粘り強く復興を遂げ、1985年には開業100周年を迎えました。
現在も息づく「江戸の情緒」
今日の仲見世通りには、老舗の人形焼店や雷おこし、団子の甘味処、扇子や髪飾りを扱う和装店など、伝統と観光が融合した店舗が並びます。特に正月の初詣シーズンには国内外から多くの人々が訪れ、まるでタイムスリップしたかのような賑わいを見せています。
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まとめ
浅草仲見世は、ただの商店街ではありません。
そこには江戸から続く人々の誇りと粋、そして「伝統を守りながら時代を生き抜く力」が息づいています。12月27日の「浅草仲見世記念日」は、日本の商いと文化の原点に思いを馳せる日です。

江戸の粋は今もここに――浅草仲見世、130年の歴史が語り続ける日本の心。




